さいじのはなし

鵠沼海岸のお店はただいま閉店中です。
8月12日から9月1日(25日店休日)まで藤沢さいか屋5階特設会場に場所を移して営業です。 
何度も言わせていただきます。コロナ禍が始まって以来、来る日も来る日も朝から晩まで不要のものと言われ、圧力をかけ続けられたにも関わらず経営は自己責任と言われ、自粛警察という訳のわからん正義とやらを振りかざされ。守ってくれるどころか全力で僕らの生存権を奪いにくる国や自治体と対峙しながら… そんな毎日にもう今年の「夏」という季節はないものと諦めておりました。
夏をお届けするはずのかき氷屋に、今年も夏をご用意していただいたさいか屋さんとお客様に感謝申し上げます。
わずかに残しておいた力をここに結集します。決していつものように「来なさい!」とは言える状況でもありませんが…。
埜庵の夏はここで燃え尽きます。9月以降の営業については申し訳ございません、未定です。


さいか屋さんではコロナ対策を施しての営業です。皆様にはご不便をおかけすることもあると思います。昨年までとは運営の方法がだいぶ異なります。
大きくは2点。

一つは開店時のご案内方法が変わります。かき氷ご利用の方は2階正面(JR改札口と同じフロア)シースルーエレベーターの前に並んでいただき、開店前に整列入場でご案内します。それ以後は行列の最後尾に並んでいただきます。また当たり前のことですが整列時にもマスク着用をお願いしています。

もう一つは店内飲食スペースとご提供の方法。客席を今までのスペースの1.5倍に広げ、そのうえで客席数を2/3に減らしています。席間を広げて間仕切りを置き人の接触機会を少なくしています。そのため今回はかき氷をお客様ご自身でお席まで運んでいただきます。またお帰りの際は所定の場所にお戻しいただきます。
食器類もお店と同様、お盆とスプーン以外はの使い捨てのスタイルです。このご時世にプラごみを増やす結果になりますが、ゴミ箱に直行する容器代にもうお店から百万円。皆さんの安全のための投資と思って続けていますが、「映えない!」の評価で切り捨てられたら本当にゴミ箱にお金を捨てているようなものです。無茶苦茶悲しいです。

そのほか並ぶための通路の幅を広くし長くして風の通りをよくするようにサーキュレイターを設置します。お客様にもお願いですが前のお客様との間隔をとってお並び頂くようお願いいたします。マスクは着用でお願いいたします。

とにかく贅沢過ぎるほどの「これおかしいだろ!」と言うほど面積を取っています。ソフト面もいろいろ考えておりますが、なんといっても密な空間を作らないという事以上に安全面に寄与する事はありません。
お盆を含む真夏の最盛期に、かき氷屋が「営業しなくてはいけない」という前提に立てば、ハード面でこれ以上安全に運営できる場所は日本中探してもないと断言出来ます。

公が求めるディスタンスを真面目に再現するとこんなカタチというモデルケースみたいなもの。普通の方から見てもこれはペイしないと言うか正気の沙汰では無いのは見てお分かり頂けるモデルルームのようなものです。

さいか屋さんは地元密着百貨店として、オリンピックも花火大会も海開きどころか市民プールもなくなった藤沢市民の為に、残された夏の風物詩のこの催しを絶対に無くさないという気持ちをもって望んでいます。
本当にここまでして開催する必要あるのか。これはもうビジネスではありません。うちにしても(笑)

都会の百貨店には普通に揃っているもので、さいか屋さんにはないものが正直物質的にはいくらかあるかもしれません。でもその逆にさいか屋さんにはあるのに他の百貨店にはないものもあります。うちのお客様がさいか屋さんの催事を支持する方が多いのも、ほかの百貨店にない部分に共感しているのだと思います。
お客さんに必要とされなければすぐにでも退場の世の中です。こんな状況の中でも皆様から「是非今年も」という沢山のお声をいただきました。多くのお客様がこの催事に特別な思いを持っている。そういうことだと思います。だから1度2度で終わるのではなくこれだけ長い間続いている。百貨店とお店の事情だけでなく、そこにお客様もかかわっている。本当に素晴らしいことと思っております。
僕も何度も辞めたいと思ったし、実際に「辞める」と言いに行ったのに、腹をくくることになったのは、そういうさいか屋さんとお客さんの熱意です。何年も何回も催事を経験してきましたが、ここはやっぱり特別なんだな、と思います。
かき氷のためにこれだけ熱を入れていただける場所はやっぱり守っていかなくてはいけない、と思います。


開催に向かってはまだまだ困難な問題があるのは承知しております。鵠沼のお店をあけながらもう一店というなら欲張りにも見えますが、わざわざお店を閉めてここに来るのですから、より安全な環境を求めてということです。何回も言いますが、夏休みに、お盆にかき氷屋さんが営業するにあたってはこれ以上安全な場所はないと思います。ただしそれは皆様のご協力も頂いて実現できることでもあります。


ご来店を予定のお客様におかれましては何卒ご協力をお願い申し上げます。

更新日時:2020-08-09 08:42:31

かき氷のはなし

今年のテーマは「原点回帰」。
埜庵の創業のころを思い出して、ということではありません。かき氷というものがこの国に生まれてから、ということです。
かき氷というからには素材の頂点は「氷」というのが僕の考えです。氷が季節に関係なく夏に手に入れられるようになったことでかき氷は生まれました。すべてのスタートは氷から。

もともと埜庵のかき氷はシンプルです。それはこの国に生まれたかき氷というものをずっと原点まで遡って突き詰めて、そこからやり直して今の人の好みの形にアレンジして出来たものだから。それが埜庵のかき氷の「思想」です。
ブルーハワイなど市販のシロップが主流の創業時に、手作りのシロップを作ったのは新しいものを作りたかったからではありません。その当時、今でもですが、あまり見ることも語られることのなくなっていたその前の時代のかき氷を知りたかったから。少ない資料しかない中で伝統を鵜呑みにせずに手を動かしながら客観性をもって考えました。
最近では「進化系」という言葉をよく聞きますが、埜庵に敢えて言葉を当てはめれば「深化系」。歴史ある三ツ星天然氷をちゃんと使っていくにはどういうのがこの氷には正しい型なのかを今もずっと模索しています。

そんな天然氷ですが、コロナの影ですっかり忘れられていますが先の冬は記録的暖冬で天然氷が全然採れませんでした。三ツ星氷室さんの百何十年という歴史の中でも何回とないくらいの出来事です。

本来商品にするならもう少し成長させて厚みをもたせてから切りたい氷を時期的に最後のチャンスと切り出したのが2月10日前後。シーズン初の採氷が2月に入ってからというのは異例の遅さです。無理矢理とった天然氷は例年の2割。僕らへの配分はうまくいって5割という事になりました。

そういう状況でのシーズンイン。当然例年なら足りなくなる分の氷をなんとか手配をと言うところから今年は始まりました。長野の製氷メーカーさんにお願いして融通をつけていただくこととなりました。かき氷屋を始めて以来はじめて純氷を使って商いをするという経験もしました。とても勉強になる、スタッフだけでなく私にとっても得難い経験でした。

その後のコロナ騒ぎで皆様もご存知の通り自粛営業になり、更に百貨店の催事は全部キャンセル。半分の天然氷でも間に合ってしまいそう。そう売り上げも半分です。泣きたい気持ちですが氷のやりくりだけは望みが出てきました。

今度のさいか屋さんに向けては毎月入ってくる天然氷を大事にためておきました。お店の営業日を絞っていたのにはそう言う理由もあります。おかげで倉庫の中は出番を待つ氷がひしめいてます。その数約15000人分。期間中に入ってくる5000人分を足して20000人分。
昨年より席を減らしているのと、やはりコロナの影響でお客様が減ると予想して組んだ今回の計画なら間に合います。昨年、一昨年と同じお客様数になったら足りません。出来るなら何とかして今回ばかりは全数天然氷でご案内したいと考えています。出来ればですが。
どちらにしても帰ってきてからのことは考えておりません。先ほど述べたように埜庵の夏はこのさいか屋さんで終わりです。

昨年のような暖冬が何回も続くとは思いませんが、毎年毎年全数を天然氷で提供していくのは難しくなっていくのではと思います。
もっとも採れる採れないの前に、コロナの影響でお店が無くなることもある。それが一番可能性が高い(笑)いや笑い事ではない。


と、長い前振りの後でさいか屋さんかき氷のご案内。


まず3週間通しでご用意するのが「彩り」。
桃・苺・メロン・柚子レモン・マンゴー・パイナップルの6種類のなかからお好きな3種類のシロップを選んでいただきます。もう一つ「練乳」も付きます。この練乳もお店とは違って信州ミルクをふんだんに使ったさいか屋オリジナルの練乳です。そして氷はなにも味を載せない「素の氷」です。氷そのものの味の変化をお楽しみください。氷を味わう。ありそうで実はない。今回の催事のメインかき氷です。

フルーツの氷が1週目「白桃」2週目「メロン」3週目「夏いちご埜庵」。
杏仁練乳ベースのチャイナが1週目「あんず」2週目「すもももも」3週目「フルーツミックス」
それ以外に限定かき氷として1・2週目が「小田原蜜柑」3週目「四万十栗」
ほか3週にわたり「抹茶」「抹茶金時」「ミルク紅茶」です。紅茶はお店のものと若干変わります。

常連さんにとってはあまり珍しくないものが多くて恐縮です。
でも今年は全く状況が読めないので、「来なさい!」ともなかなか言えません。だからそういうラインナップで尚且つ一人で何杯も食べるメニューがないということになっています。

あんまりお客さんが少なかったら始まってからメニューが追加になるということもあるかもしれません。
氷が足りなくなるのを心配しなくてはいけないくらいならそのままサラッと行きます。

今は「来なさい!」とは言いません。

更新日時:2020-08-09 08:50:16

いちごのはなし

この時期は夏いちご「埜庵」について取り上げていただく事が多くなります。今回もさいか屋さんのチラシに少し取り上げていただいています。どうしてもその部分だけがピックアップされて説明が不十分なままの情報が伝わるので、いつもこの時期はこの言い訳みたいな文章を毎年アップしています。今年も加筆修正してご案内させていただきます。


ただ「美味しいかき氷を届けたい!」なんて清い心だけじゃここまではできん(笑)

夏いちごの季節になりました。
もうスーパーにも苺は並んでいません。本来の旬は初夏でしょうが、現在は温室栽培がほとんどですから1~5月が一番出荷の多い月。そこが、いち、ご、の季節となっています。

かき氷が一番良い夏に苺がない。僕も長い間そういうものだと思っていました。初めた頃にも夏いちごはありましたが、一度だけ手を出したものの、とても高価で使い切れなかった。5倍くらいの値段。いつしか頭の中から存在も消えていました。

6年前。今も続く山梨県北杜市の水の山プロジェクト。その仕事にかかわらせていただいたことで、市役所の方を通して紹介してもらったのが、夏いちご生産者「朱りファーム」の澤田さん。年齢も近く、しかも脱サラ。「脱サラで農業」は最近よく耳にもしますが、実際に聞くのは「始めた」という話まで。そうです、やるだけならできる。かき氷屋と同じ。大事なのはそこから先です。

仕事柄生産者の方とお話をさせていただく機会は多いほうだと思います。皆本当に真面目に取り組んでいらっしゃるのと同時に本当に苦労もされています。
天候に左右されたり、手間の割には競りで思うような価格がつかなかったり。お話をしているうちにシンパシーが。そしてお互いがプラスになるようにとことん知恵を出し合いました。名付けて「夏のいちご氷プロジェクト」。2人だけですが(笑)

先ずは価格。「値段下げて」では解決しない。どちらかに無理がかかる方法では長続きしない。たどりついた方法が、ハウス一棟契約。
埜庵ではそこまで形の良いものを求めているわけではない。他の方が欲しいケーキの上に飾るような形の良い埜庵ハウスの苺は他に出荷されます。その代わり、他のハウスのケーキの頂点に乗らないような苺が僕のハウスのものとトレードされます。そうして全体の値段を下げる工夫をしています。全部澤田さんが管理をしてくださっています。
そんな秘密を話していいのか。いいです。生半可では真似ができません。お互いの信頼関係がないとどのみちできない。もし真似するところが増えれば、助かるところが増えるだけ。カタチだけ真似してもどうせ長続きしません。それは天然氷にも似ているかもしれない。

副産物もあります。うちのハウスの苺は信州大学の大井教授の開発したBS8-9という品種の苺でブランド名がありません。生産者でブランド名が登録できる苺で、一般流通分は「八ツ姫」というブランドで商標登録されています。埜庵のハウスで採れた分は、その名も「埜庵」という名で別ブランドとして管理されています。

この時期の埜庵のいちごかき氷に使う苺の名称は「埜庵」。最近は夏いちごを使ったかき氷も時々目にするようになりましたが、三ツ星氷室の「天然氷」と合わせて、というのはここでしか食べられない。まさに唯一無二「夏いちご埜庵の天然氷かき氷」です。

よく「こだわり」と言われます。こだわりではありません。普通です。人の言う「こだわり」を、店も一緒になって「こだわってます」なんて言っていたら絶対その店は衰退します。
話は飛びますが…
青森大間のマグロは最高級品と呼ばれます。でも荒波の中で育ったマグロには絶対に個体差があると思います。それを見分けることができるのは恐らくいつも大間のマグロを扱っている方でしょう。いい食材というのは実は見分けるのも使い切るのも難しい。誰もが扱えないから特別なのです。
天然氷も夏いちごも使わせていただくようになってからそれなりの時間は重ねてきました。そういう意味では誰よりも普通には使いこなせているとは思います(笑)

「美味しい料理を届けたい。」その心がなくては飲食の仕事なんてやっていてもつまらない。皆の「美味しい」の笑顔に触れた時、自分に「これだけやってんだ!」という思いが大きい方が素直に自分の喜びも大きいし嬉しい。だから自分の為。
苺にしても、天然氷にしても、僕たちは生産者の評価を変えてしまう危険がある。そういう素材をお預かりしているという意識を持つのは自分達の背筋も伸びる。特別に意味のある食材を使うのはスタッフの力にもなる。結局は自分の為。

そんな苺のかき氷。今年は8月12日から9月1日(25日店休日)藤沢さいか屋さんでお召し上がりいただけます。
実はその大事な苺、この梅雨の日照不足の影響をモロに受けています。ちょうど埜庵ハウスのイチゴは今が一番収量が上がらないとき。澤田さんが近隣の生産者さん、広島県の生産者さんまで声をかけていただき何とか数を合わせて下さいます。今年はやむなく「夏いちご埜庵氷は26~最終日。それ以外は彩り氷の中に苺シロップをご用意。」となっています。


とここまで申し上げてここからが本題なのですが…。長いフリ(笑)

ちなみに夏いちご埜庵のかき氷ですが。取材などでどうしても話題性のある夏いちごの部分だけをピックアップされて紹介されることが多くなります。なので最初に言ったように情報が不十分になります。結果産地偽装などと疑われても嫌なので毎年追加で正直に申し上げています。

シロップのベースの部分は南米産の冷凍苺をベースにして作ります。ここまで言って「えぇ!」って感じでしょうが、外国産は野性味のあるベリー感の強い苺なのでシロップベースにはむしろ向いていると僕は思っています。そして、それが一定の味を保つ秘訣でもあります。隠すことでも何でもないから正直にお伝えします。
生の苺を使うのはその日の朝にシロップの命の「フレッシュ感」と「粘度・濃度」を足すため。半分外国産というより、通常の2倍の苺を使用している、と言う事です。実際にかき氷一杯のシロップの中に使われている苺の量は半端ない。
たまたま美味しくできた訳ではなく、何年も何回も試行錯誤の末、そして何年もの繰り返しの中でたどり着いた埜庵のいちごのかき氷です。


どれだけ能書きを語ったところで、美味しいかどうかはお客さまが決めること。僕は知らん。
でも間違いなく言えるのは、とても「良いかき氷」だと思っています。

更新日時:2020-08-09 08:53:41

更新日時:2020-08-07 20:12:15

埜庵 Kohori-Noan

営業時間 11:00 - 18:00
ラストオーダー16:00
(氷がなくなり次第終了)
定休日 不定休
雨天時等臨時休業あり
電話番号 0466-33-2500
繁忙時は電話に出られない時もあります。

kohori_noan Instagram

社員候補(社保完備)・パート・アルバイトさんを募集します。詳しくは下記アドレスにてご連絡ください。

埜庵で使用している氷は、三ツ星氷室の天然氷です。

お店がお休みの間の、仕事、取材のご依頼等は、kishiduki3214@gmail.com
までご連絡をお願いいたします。折り返しご連絡させていただきます。

駐車場のご用意はありません。付近のコインパーキングをご利用ください。
公民館の駐車場は絶対にご利用にならないようお願い申し上げます。

ペットご同伴でのご入場はお断りしています。申し訳ございません。